近ごろはクレジットカードやデビットカードの利用が増えてはいるものの、現金は社会の歴史や文化を表す重要な鏡であることに変わりありません。また、旅行者にとって、現金は相変わらず人気の決済手段です。

知っておきたいこと:カナダでは、1ドル硬貨は「ルーニー」と呼ばれます。これは、硬貨にあしらわれたアビ(英語でLoon)という水鳥の姿にちなんでいます。2ドル硬貨の愛称は「トゥーニー」です。1セント硬貨はもう使われていないため、5セント単位で切り上げまたは切り捨てとなります。ちなみに5セント硬貨は「ニッケル」と呼ばれます。最小額の紙幣は、5ドル札です。

先進の鋳造技術:1908年、当時の王立造幣局がカナダ初の鋳造硬貨を発行しました。同造幣局は、後にカナダ造幣局(Royal Canadian Mint)に改称。現在、コインコレクターの間では世界屈指の意匠性と独創性で定評があります。ご存知ですか、カナダ造幣局は、世界80カ国の硬貨を製造しています。最新鋭の硬貨製造技術を導入し、着色硬貨技術、ホログラム技術、銀・金の精錬工程など、数々の業界初を達成するなど多くの特許を取得しています。

誰でも見分けやすい紙幣:2011年、カナダ銀行(中央銀行)は、ハイテクを駆使し、セキュリティ機能を組み込んだポリマー紙幣の100ドル札と50ドル札を発行しました(その後すぐに20ドル札、10ドル札、5ドル札もポリマー紙幣に切り替わりました)。このポリマー紙幣は極めて高い耐久性を備えていて、破れることもなく、洗濯機で洗っても傷むことはありません。さらにカラフルなのも特徴の1つ。ブルー(5ドル札)、パープル(10ドル札)、グリーン(20ドル札)、レッド(50ドル札)、ゴールド(100ドル札)の各色で印刷され、まるで虹のように美しい紙幣のおかげで、見分けやすいと評判です。濃い色と配色の工夫(明るい色調と暗い色調の組み合わせ、ゴールドのアクセント、透明部分の採用)で偽造されにくくなっています。さらに、各紙幣間のコントラストがはっきりしているため、色覚障害のある人々でも区別しやすく、また、右上コーナーに点字を配してあるため、目の不自由な人々が各紙幣を簡単に区別できます。

有力通貨:国際通貨基金(IMF)は、カナダドルについて、経済の不透明感が広がっている時代でも世界屈指の安定性と信頼性を発揮していると評価しています。2021年、カナダドルは、他の主要通貨を抑えて世界一の優良通貨に浮上しました。

硬貨製造の現場:ベールに包まれた硬貨製造工程を覗いてみませんか。カナダ造幣局のウェブサイトでは、バーチャルツアーが利用できます。オンタリオ州グレーターサドバリーには、世界最大の硬貨「ビッグ・ニッケル」があります。これは直径9メートルのレプリカで、1951年の5セント硬貨の形をしています。オンタリオ州オタワにあるカナダ銀行博物館は、経済学、貨幣史、通貨の分野の専門家による興味深い講演会を定期開催しています。オンタリオ州キャンベルフォードには、特徴的なシルバーとゴールドの2ドル硬貨をたたえて巨大な直径8メートルのレプリカ「ジャイアント・トゥーニー」が設置されています。
 

Robyn Hanson, Courtesy Travel Manitoba

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