世界屈指のオイスター(牡蠣)産地として知られるプリンス・エドワード島(PEI)。オイスター産地としてPEIの名を世界的に広めた立役者が、マルペック湾でとれるマルペックオイスターです。このマルペックオイスターは、1900年のパリ万国博覧会で世界最高峰の味わいと太鼓判を押されたことをきっかけに、一躍PEIが脚光を浴びることになりました。以来、マルペックは、ブルーポイントと並び、家庭の食卓にも並ぶオイスターの人気品種として親しまれています。マルペックオイスターは、PEIを代表する地牡蠣の品種で、今ではニューヨークから北京まで世界中でメニューに登場するほど普及しています。PEIでは、二枚貝は成育地(水域)によって区別されます。

コルビル湾
スーリ川河口のコルビル湾産オイスターは、アクアグリーン色の殻が特徴です。同湾の海底は、砂が柔らかくシルト(沈泥)質のため、オイスターの成育に理想的な環境が整っています。塩味と甘味が混在する独特の味わいは、食べ始めたら止まりません。

ラズベリーポイント&ピックルポイント
PEI北岸のラズベリーポイント産オイスターは、海中に吊るしたカゴの中で養殖します。海底に直接置かないため、あっさりとした風味ときれいな殻が特徴です。塩味、すっきりとした後味、コリコリとした歯ごたえに特徴があります。

ベデック湾・サマーサイド
サルテーション湾は、毎日強い高潮が押し寄せるため、オイスターの栄養価も高くなります。同じPEIでも、ここは、他の地区に比べて成育速度が2倍と言われています。また、カナダの最東部の沿海州産オイスターは総じてあっさりとした味わいですが、ここのオイスターは濃厚な味わいに特徴があります。

マルペック
マルペック産は、マルペック湾の冷たい海水で自然に成育させたオイスターで、収穫シーズンになると、漁師が小船から、大きな熊手を2本合わせたようなハンドトングと呼ばれる道具で収穫します。このマルペックオイスターは、1900年のパリ万国博覧会で、ぷっくりとした食べ応えある身、食べた瞬間に口の中に味わいが広がり、甘味のあるすっきりとした後味に、オイスターの世界最高峰と太鼓判を押されました。

バレーパール
マルペック産の中でも、とりわけ高級品とされているのが、タインバレーのバレーパールオイスターで、その味わいには定評があります。現地で養殖業を営んでいるのは、おいしいオイスターを世界に紹介したいという熱い思いを抱いた親友同士2人です。


Valley Pearl Oyster

 

では、オイスターを楽しみましょう。オイスターを味わう前に知っておきたいことがいくつかあります。

オイスターは噛んで味わうのしょうか、それとも飲み込んで、のどごしを楽しむものですか?
正解はありません。どちらの味わい方でも楽しめます。

オイスターは何をつけて食べるのですか?
オイスターはそのままで十分においしいので、何もつけずに食べられます。もちろん、アクセントに、ホースラディッシュを添えたり、レモン汁を一絞りしたりする人もいます。斬新な味わいにチャレンジした方には、地元産のチャツネと呼ばれる香辛料を添えてみてはいかがでしょうか。

普通は何個くらい食べるものですか?
そんな基準はありません。満足するまで楽しんでください。

〝オイスターの誓い〟
潮の香りあふれるとれたての新鮮なPEI産オイスターを育む海に敬意を表す伝統があるのをご存知ですか。オイスター好きの仲間と一緒に次の〝誓い〟を読み上げるのです。
「波に抱かれ、天から与えられた日に、潮の香りあふれる口づけの恵みにより、プリンス・エドワード島産オイスターに敬意を表すことを誓います」
そう唱えてから、顔を上げ、とれたてのPEI産オイスターの味わいを堪能します。PEIの海の恵みの繊細な味わいを全身で感じたら、あなたも真のオイスター好きの仲間入りです。


赤毛のアンの故郷/プリンス・エドワード島「世界で一番美しい豊かな心に触れる旅」
https://jp-keepexploring.canada.travel/oku/prince_edward_island

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