アメリカ人のシェフ、ライター、テレビタレントである故アンソニー・ボーデイン(Anthony Bourdain)は、料理に関する物語や、その裏側にある文化や人々を求めて世界中を旅しました。カナダに関して言えば、ボーデインはある都市に強い親しみを示していました。それがモントリオールです。​

 

ボーデインは、「ノー・リザベーションズ(No Reservations)」、「ザ・レイオーバー(The Layover)」、「パーツ・アンノウン(Parts Unknown)」の3つの異なるテレビ番組でモントリオールを訪れています。どの番組でも彼は、モントリオールの街や、モントリオールが誇る豪華な料理、個性的な人々に対する愛を主張していました。​

 

ここでは、ボーデインによるモントリオールへの旅からインスピレーションを受けたフードツアーをまとめてみました。各店について、ボーデイン自身が発言したセリフからの引用も交えてご紹介します。​

モントリオールの定番

 

新しい都市を訪れたら、その土地を有名たらしめている料理を試す必要があります。ボーデインもまた、モントリオールの象徴とも言える店を巡りました。​

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ボーデインは「ノー・リザベーションズ」と「ザ・レイオーバー」のいずれの番組でも、モントリオールをニューヨーク市と並んで世界随一のベーグルの中心地たらしめている2大有名ベーグル店の1つ、「サン・ヴィアトー・ベーグル(St. Viateur bagel)」(もう1つは「フェアモント・ベーグル(Fairmount Bagel)」)に立ち寄っています。しかし、ボーデインの言葉を借りると、「モントリオールとニューヨーク市、どちらのベーグルが美味しいかという議論は非常に馬鹿げたもので、リンゴとオレンジを比較するようなもの。まったく別個のものだからね」とのことです。​

 

ニューヨーカーであるボーデインはニューヨークびいきだろうと思うかもしれませんが、ボーデインいわく、モントリオールのベーグルはニューヨークのベーグルに比べてサクサク感や甘さが強く、「とてもとても美味しい」とのこと。また、モーニングの定番「ビューティーズ・ランチオネット(Beauty’s Luncheonette)」で、スモークサーモンにクリームチーズ、トマト、玉ねぎを載せたベーグルも楽しんでいました。モントリオールで1日をスタートするのに最適なお店です。​

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ランチをお探しの方は、「シュワルツ・デリ(Schwartz’s Deli)」でスモークフードを味わわずしてモントリオールの旅行を終えることはできません。ボーデインは「モントリオールに来たらここに立ち寄らない手はない。避けることのできない、マストなスポット」だと言います。この店のオススメは、燻製肉のサンドイッチ。これはパストラミのサンドイッチに近いものですが、隠し味として地元産のハーブやスパイスがブレンドされています。

 

旅行中の皆さんは、少し羽目を外してもいいですよね?そこでプーティンの登場です。プーティンは、フライドポテトとチーズカード、グレービーソースを使用した定番のケベック料理です。ボーデインはこれを、30種を超えるプーティンを提供する24時間営業のお店「ラ・バンキーズ(La Banquise)」で堪能しました。ベトベトしているのに間違いなく美味しいこの料理を食べたとき、ボーデインはこう思ったそうです―「これは食べちゃいけないやつだ。でもやめられないね」。

食事で贅沢三昧

 

ボーデインは料理だけでなく、年月を経て友人になったシェフや人物のおかげもあってモントリオールが好きになったようです。なかでも親しかったのは「ジョー・ビーフ(Joe Beef)」のフレデリック・モーリン(Frédéric Morin)とデイヴ・マクミラン(Dave McMillan)でした。ボーデインは「ザ・レイオーバー」と「パーツ・アンノウン」の両番組において、ゲストシェフたちに素晴らしい時間を与えるこの伝説の行動的な2人組と一緒に出かけています。​

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ボーデインは彼らとの時間の大半を笑って飲んで過ごしていましたが、ジョー・ビーフを多くの優秀レストランのリストに名を連ねさせた至福の料理を楽しまずにはいられませんでした。彼によると、この店のメニューは「素晴らしく、間違いなく最高」だそうですが、そう言って彼が一目散に食らいついたのは、ブレイク寸前の「ダブルダウン(double down)」でした。同じ名前のKFCのメニューに感化されたジョー・ビーフのダブルダウン・サンドイッチは、ベーコンとチェダーチーズ、鶏皮マヨネーズ、メープルシロップを2枚のフォアグラで挟んだもので、ボーデインの言葉を借りれば「卑猥で神に対する犯罪だが美味しい」とのこと。もちろん、メニューには絶品の牡蠣からラムまで、またステーキからロブスターのパスタまで揃っていますので、もう少し普通の料理も食べられます。

ボーデインはシェフのマーティン・ピカード(Martin Picard)とも近しい関係にあり、「カナダ全土で最も影響力のあるシェフ」と評しています。「ノー・リザベーションズ」の番組でボーデインは、ピカードのレストラン「オー・ピエ・ドゥ・コション(Au Pied de Cochon)」で皆さんの想像を超えるほど多くのバリエーションのフォアグラを堪能しましたが、このレストランは「脂っこい料理や、豚肉、鴨肉に関連した料理が揃う聖地」だと言います。ぜひ、この店のビーフタルタルや鴨の缶詰、「ハッピー・ポークチョップ(happy pork chop)」に舌鼓を打ってください。​

 

ボーデインが訪問した高級レストラン「ル・クルブ・シャッセ・エ・ペシェ(Le Club Chasse et Pêche)」(狩りと釣りのクラブという意味)と、有名シェフであるノルマン・ラプリーズ(Normand Laprise)の「ブラッスリーT(Brasserie T)」にも出掛けましょう。この素晴らしい2店はいずれも、贅沢な雰囲気の中で肉料理をお肉を堪能できるスポットです。ベジタリアンの方には申し訳ありませんが、これはボーデインにインスピレーションを受けたツアーですのでご了承ください。​

食べるだけじゃなく、飲もう

 

シェフたちは1日の仕事を終えると、同じくらい遅い時間にも起きている人々(つまり他のシェフたち)と一緒に飲みに行くことが多くなります。​

 

ボーデインは、モントリオールの旅において何度か、この慣例に参加しました。残念ながら大半は、アイスフィッシング小屋(オススメ)や街を走るピックアップトラックの荷台(オススメできません)といった、あまり慣例的とは言えない場所で行われたようですが。​

バー「ドミニオン・スクエア・タヴァーン(Dominion Square Tavern)」は、「ノー・リザベーションズ」の番組で絶賛されました。このお店が最初にオープンしたのは1927年で、<狂騒の20年代>懐かしむものとして、歴史を感じさせる装飾やクラシックなカクテルとともに、今に残っています。、伝統的な装飾や古典的なカクテルによって実現されています。長いバーに席を取り、素晴らしい時間を過ごしてください。

 

モントリオールには素敵なバーがたくさんあるので、スツールで数時間を過ごすのに最適なスポットを見つけるのに苦労は要りません。喉の渇きを潤したら、飲んだお酒を「グラマン78’s(Grumman 78’s)」の絶品タコスで吸収してもらいましょう。その瞬間も、翌朝もバーで飲むという選択をした自分に感謝するはずです。

飲食店以外の食に関連したスポット

 

グルメが立ち寄るのはレストランやバーと考えがちですが、実際にはそう単純ではありません。

 

例えば、料理をその生産者にまでさかのぼることもできます。モントリオールには素晴らしい市場が数多くあり、たくさんの生鮮食品や肉類、チーズが売られています。ボーデインはジャン・タロン市場(Jean-Talon Market)を訪問して商品を試食したり、850種類以上のチーズを販売する「フロマジュリエ アトウォーター(Fromagerie Atwater)」を絶賛していました。「モントリオールでは、チーズについて知ってもらう取り組みが今も盛んだ」と「ザ・レイオーバー」の番組内で取り上げました。

もし将来シェフを目指しているなら、ボーデインの足跡をたどり、モントリオールのイタリア人街にある調理器具専門店「カンカイユリ・ダンテ(Quincaillerie Dante)」に行ってみるのもいいでしょう。また、まだ気楽な美味しいもの好きならばなら、「アペタイト・フォー・ブックス(Appetite for Books)」で膨大な料理本や食をテーマにした文学を探すことができます。こうした本は、魅力的な都市で魅力的な食のアドベンチャーを堪能した後のお土産にも最適です。

 

モントリオールのフードシーンについてもっと知りたい方は、私たちの「フーディーズ・ガイド・トゥ・モントリオール」をチェックしてください

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